D 医療の大学と専門学校のちがい

厚生労働者は看護師養成の重点施設を10年ほど前から看護学校から四年制大学に変えました。准看護師は国の方針では全廃の方向ですが、准看護師は都道府県知事が認定する資格です。(県外に移住して勤務する場合形式的ですが免許の書き換えが必要です)すでに准看護師の養成をやめている県もあります。法律では准看護師は医師または看護師の監督の下でしか業務は行えません。理屈上では一人で業務を行ってはいけない(?)ことになります。これは立ち会いではなく指示という意味でしょうが。看護師の業務は、法律で許されたものと医師の指示で行う本来は業務でないものもあります(点滴や採血は可、挿管は不可)。
どうしても、一日でも早く稼ぎたいのであれば准看学校もやむをえないと思いますが全体の流れとしては高学歴化へと向かっています。ただ、学校の性質を知らず単純に高学歴をよしすることはどうかと思います。このサイトでは大学・短大を無視しているのは、四年制私学看護学科では学費と生活費で総額1000万円を覚悟しなくてはならないからです。また、普段のつきあいにしても大学生は付き合いの範囲が広くなるので、看護学校生よりも月々の費用がかかるようです。わけのわからない高校教員は単純に大学に入れたがるので注意してください。
全体の流れとしては現在病院看護部の管理職は看護学校出身者が中心ですが、近い将来には大卒者が中心になっていくと思われます。ただ、上位校の出身者ならと言っておきましょうか。

たてまえとしては
四年制大学・三年制短大は看護学を学ぶ施設であり、職業訓練の場ではありません。指定カリキュラムを履修した結果として国家試験受験資格を与えられることになります。ですから、研究施設を持つ必要もあります。

専修学校と大学を比べると
専修学校は訓練以外の学びが弱いということです。実習実務知識が中心で一年目に半年間高校上級程度の一般科目がありますが、それ以外の一般教養の知識・外国語が弱いのです。ただ、比較はむずかしいのですが実感として、実習実務訓練の量密度を評価すると大学短大の倍ぐらいになっているかもしれません。ちなみに大学・短大の1時限は45分ですが、専修学校は60分です。カリキュラムは時限単位ですから病院実習では1時間以上大学・短大生が早く帰ることになります。

准看学校と看護学校
本来、准看学校は中学卒業対応の学校です。ですが、入学試験でふるい落とされて、まず、中学卒業者が入学することはありません。資料によると受験者の割合は大学卒以上の学歴の人も3割を超えているようです。2年制ですがカリキュラムの半分くらいは高校での一般科目の授業となります。ものすごく専門の学習・実習が少ないことがわかります。それぞれの卒業者の感想をまとめると、(全般の見解ではありません当社比です??)
大学・短大  慣れよりも自分での工夫・研究を求める傾向が強い、看護計画を作る力を重視
看護学校   処置をする理由については理解を求めるが、訓練を重視
准看学校   処置の仕方は教えるが不十分な時間ではそれ以上のことはできない

※准看護師は2年制の短大に行くことで看護師の資格をとることができます。

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