06 なぜ、医療分野か

6 なぜ、医療分野か

残念ながら日本では資格で食べていける分野は「医療」しかありません。難関資格の司法試験でも公認会計士でも本人の才覚がなければ収入は保証されません。私が手助けしたい人たちは能力があり、テキパキ仕事ができる人たちではありません。まじめや努力といったことしか頼るものがない人たちです。
まず、最優先しなければならないのは子ども抱えた母親です。そして女子が資格で食べていくことが保証される職業は医療しかないということです。
労働市場と呼ばれるものがあります。世界の標準では労働市場では資格や能力にしたがって仕事を選び雇われ、好待遇を求めて転職するのが普通です。それに対して日本ではほとんどの分野では自分の能力・資格で働くよりも、第一に会社職場への忠誠で評価されます。その結果たいていは自分の意思に反した働き方が強いられています。これでは労働市場と呼ぶことはできません。それでも唯一日本で労働市場が成り立っている分野が医療です。言い換えれば唯一資格で自分が守られる分野だということです。

※特に学費で困っている人は「看護職」を選ぶしかありません。(「看護職」については「資料」で説明)
看護師の養成数のうち女子が95%以上、残りが男子です。実は、今の日本社会ではまじめさや努力で資格が取れ、収入が保証される仕事は男子にはほぼ絶望的なのです。(大学医学部入学の女子の不利さよりも看護師の男子の不利さかげんのほうがはるかに厳しいのです。)そして医療の世界で一番学資が工面しやすいのが看護師です。一部の費用が高い学校を除けば病院や行政の奨学金で授業料分か学費全額かをまかなうことができます。残念ながら男子はこの恩恵にあずかることがむずかしいのです。
また、特に才覚がない女子が確実に普通以上に稼げる仕事は二つしかありません。正規の教員と医療の専門職です。医療の専門職は国家試験に合格すればそのまま仕事が保証されます。しかし、教員は免許があっても正規採用されなければアルバイトと同じです。
看護学校以外の医療の学校には入学しやすいところもありますが、残念ながら学資の用意がない人は看護学校以外に入いることは難しいと思います。(現時点では介護の分野はあまり勧めたいとは思いませんが、介護学校入学者には年間60万円の国費奨学金が出ています。)

※看護師は女子の職場
女子の職場だからといってもすべてが母親の都合のいいほうにいくわけでもありません。実際、職場では未婚者と母親の対立もあったりします。それでも一般企業ではごくまれな恵まれた所が母親としての事情を考えてくれるだけですが、どの医療機関でも看護師の定数が足りなくて困っているかぎり、働きやすい現場を作らなければやっていけないという現状があります。そして資格さえあれば自分の都合で職場をえらぶことができます。病院から奨学金を受ける人は金額だけではなく子どもが育てやすい職場かどうか考えてみるといいでしょう。

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