なぜ、数学では数字だけではなく「文字」が必要なのか 数学は文字を使うことから始まります

まず、なぜ数学だけではなく文字(変数・定数)を使うのでしょうか。

実はこのことが算数(具体的な数を扱う)と数学(抽象的な数を扱う)の最大の違いなのです。

しかし

算数が数学に変わる中学校の教師はこのことを説明することはしません。

理論的な話をすればいろいろな説明があるが、実用的な例をあげてみます。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットではPOSシステムを使ってバーコードで商品管理をしており、商品ごとにバーコードが付いています。

バーコードは縦線の組み合わせで数字と記号を表しているが、バーコードには値段・その他についてのデータは入っていません。

コンピュータの中にバーコードで管理された商品ごとのデータが入っています。

例えば商品番号「A12345678」番のバーコードは文字(変数)xと同じ扱いをすることができます。

xの内容はコンピュータのデータを書き換えることによって、即時に値段その他を変える事ができます。

今日だけ一割引、決まった商品との組み合わせで割引といったときにも、設定を変えるだけで商品のバーコードを書き換える必要はまったくない。

いってみればバーコードは桁数に関係なくひとつの文字として使われているわけです。

複雑な計算をするためには実際の数を扱うだけでは限度があるのです。

鶴亀算のような頭の体操が必要な問題(パズル)でも

数学(代数)では一々考えるのではなく

式の立て方という形(技術)で行うことを可能にしました。

このように文字を使うこと(代数)を発明したことで

数学は実際の数とかかわりなく式を考えることができるようになりました。

そこから現代の科学・技術が生まれたわけです。

数学の分野は代数(文字を使う計算)だけではありませんが

代数がなければ現代の科学・技術ありません。

ある大学教授が学生に

「数学を知らなくても何も困らない」と言われたそうです。

それに対しこう答えたそうです。

「お前が数学を知らなくてもかまわないが

数学がなければ世の中は何も動かない」

そのことを教えずに数学をやっていること自体に問題があるのです。

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