これまで行政からの援助の話を取り上げてきましたが、手続きは決して簡単なものではありません。
勧めておきながら水を差すようですが、私も税金で給料をもらっていた身ですから役所がどういうものか体で知っています。
役所には役所のしくみがあり、日常生活とは違った理屈で動いています。
普通の生活をしている人にはなかなかわかりにくいものです。確かに理由が分かれば理解できるものもあります。
納得できるかといえば別でしょうが。でも、理解できる分はガマンしましょう。もしかするとその人は味方につけるべき人かもしれませんから。
しかし、担当者の無知や偏見、公私のイライラの相手にされることもあります。ここではあまり感情的な話は取り上げません。感情は大切です。人は感情で生きています。でも、ここでは目的を優先させましょう。ただ、はっきり暴言だと思ったときには役所の秘書課や広報課に事実を伝えるのも必要でしょう。
これはあるサイトの「援助を受けるために役所に行って心ない扱いを受けた人に対するアドバイス」の投稿からの引用です。
『役所の人間は、誰にでも見下したような態度をとります。
母子家庭ってだけで、ここで叩いてくるような偏見や一般論しか知らないような人達も中にはたくさんいます。
・・・何よりも、合格おめでとうございます!
子供さんへの想い、かなえるための第一歩を踏み出せたこと、自分のことのように嬉しく思います☆
これからも辛いことなどあるかもしれませんが、一人ではないということ、覚えていてください!』
私は立場が違うので同じ感情が持てないこともあるかもしれません。それでも、あなたの力になりたくてこの事業をやっています。
役所に行くときには遠慮・忖度はいりません。彼らの仕事ですから。手続き不足で文句を言われるよりも、先手をうって必要なことはどんどん聞きに行きましょう。役所に行くのも大変なことは大変ですが。ともかく大事なのは聞くことです。仕事の公平さを守るためには聞かないと答えられないこともあるのです。
私もおのおの役所のことは知りませんから、やはり、一つ一つ確かめていくしかありません。
どれだけの手助けができるかはやってみないとわからないけど、少なくとも「一人ではないということ」という言葉だけでも現実にしたい
投稿者: k.takahiro
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役所での手続きは簡単ではありません
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日本の大学教育は高等教育か
ものすごく、気になっているのは日本の大学教育は高等教育かということです。
何がというと新井紀子さんの全員大学へ行った方がいいという発言からきています。
この人は「東大ロボ」の主任研究員で、『AIvs.教科書が読めない子どもたち』で名が売れた人です。
彼女は注目を浴びていることと本人の実行力で世論への影響が大変大きいと思われます。
彼女が言いたいことが大学は高等教育でないとしても学びにいったほうがいいという意味なら私は納得します。(経費の件はおいといて)
しかし、日本の大学を高等教育と考えているなら反対します。
普通教育と高等教育が違うことは何度か書いていますので今回は説明省略。
現実の違いを教育内容の説明よりもデータで示しましょう。
アイビーリーグと呼ばれる合衆国最上位の8大学があります。日本ではハーバード大学が一番有名ですね。
聞くところによればハーバード大学の年間学費は1000万を超えるだろうといわれているそうです。
大金持ちか給付奨学金を受けなければ通えないのです。その上日本の大学とは違って学問に専念しないと卒業できません。当然、学費を稼ぎながら通うのは無理です。つまり、学費だけではなく生活費も用意しないといけないのです。
これは特別な例だろうと言いたくなりますが、本来、高等教育はてまひまがかかるものなのです。
てまひまをかけない高等教育を高等教育というのには無理があります。
だいたい、大学を高等教育だとはっきり考えている国ではほとんどが日本流に言えばマンツーマンに近い方法をとっています。
(ただし、合衆国には日本で言うところの学校制度がないのでややこっしいです。機会があれば説明します。)
私は私学でしたから専攻の学部生200人(一学年50×4年)に専任教員5人でした。近所の京都大学は学部くくり募集なので、年によって専攻の学生数が変わるのですが、同じ専攻系統の学生数が毎年最大数3~4人だそうですから、多くても15人以下に対して当時専任教員が私のところと同数ぐらいだったと思います。教員学生比率が10倍を超えるわけです。
5人が200人を相手にして高等教育もあったものではありません。
大学教育は大学教育であって高等教育ではないというなら納得します。
彼女の真意はわかりませんが、ともかく高等教育は金がかかりすぎるのです。
私は日本の将来はまず普通教育の内容を上げることにかかっていると思います。その上で認可基準がきびしく高価な大学ではなく、専門教育(現在の日本のほとんどの大学の教育内容は専門教育です)をもっと安く、効果的に行う制度を作ることです。私はお国の全員大学に行け方針には寒気がしています。
日本は大国(世界200数十ヶ国で人口3000万を越える国はそうたくさんないのです。東京圏がほぼ3000万人。)で初めての普通教育と高等教育がつながる可能性があります。(本来、普通教育と高等教育は別ものです。)その上で高等教育と専門教育が選べる。これは一つの理想型です。
ただ、みなさんの誤解を解いておきたいのは有名な合衆国のビジネススクールやロースクール、メディカルスクール(医学部)は高等教育ではなく、高等専門教育です。日本で言うところの大学院ではありません。 -
ひとり親が学校に入るときに国が援助(給付)してくれます
給付というのは貸付ではなく、くれることです。返す必要がありません。
「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」これは厚生労働省がやっている事業ですが、実施は都道府県・政令指定都市が行っています。確認していませんのですべてのところがやっているかどうかはわかりません。大阪府・大阪市がやっていることは確認しています。
医療・福祉・保育などの学校に行っている人が受けることができます。
住民税の額によって違いますが、月7万~10万円で、最長3年まで。加えて、卒業する時に2.5万~5万円くれます。
さらに、貯金がない人には一番困る入学金や費用ですが、これに対しても「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業」いうのものがあり、無利子で最大50万円まで貸してくれます。これは正確には行政がやっているのではなく、各地域の「社会福祉協議会」が代わりにやっています。すべてをリストアップできていませんが、さらに上積みして貸しているところもあるようです。
詳しくは、厚生労働省のサイトの「母子家庭自立支援給付事業金及び父子家庭自立支援金給付金事業の実施について」、各都道府県・政令指定都市の「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業」をぐぐれば見つけられます。
みなさんも公務員への質問のしかたを知っておく必要があります。自立したい人を助ける制度があることを教えたくてしょうがない福祉課の職員はたくさんいるのです。でも、職員個人が自分から行動すると、教えてくれる人くれない人ができ、不公平が起きることがあります。だから、どんなに親切心をもった職員でも、聞かれないと答えることができません。ですから、聞く方も聞き方というのが大変重要になります。まず、何を聞くかということをよく調べおかなければなりません。「○○というのがあるそうでけれど詳しく教えてください…」といった風にです。これが受給者を増やさない歯止めになっていることも事実だと思いますが。
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「母子・父子・寡婦福祉資金」をご存じですか
「母子・父子・寡婦福祉資金」をご存じですか。
日本政府は大人の訓練は自己責任という考え方なので、大人が資格をとるために資金を借りる制度には消極的です。
銀行や消費者ローンでも子どものために大人が借りる制度は整備されていますが、財産や保証人がいない大人が自分の学資を借りることは大変難しいのです。
私は受験トレーニングだけではなく、就学就業に必要なことすべてを手助けすると言っていますから、当然、学資・就学中の生活費は無視することはできません。
ただ、いろいろ調べましたが、どうやっても、まったく財産がない大人が学ぶ条件を作ることはおそろしく難しいのです。
ところが、例外的に「ひとり親」を助ける制度があります。
「母子・父子・寡婦福祉資金」です。
これは国の制度で一人親を助けてくれるものです。
学資を借りられるだけではなく、生活費も借りることができます。
貸付なので返さなくてはなりませんが、無利子で・無担保なので、確実に就業・収入が期待できる医療の資格をとるなら非常にありがたい制度です。
学費の安い学校なら、加えて病院からの奨学金が受けられれば、ほぼ、学資を用意することができるようになると思います。
ただし、まったく資金のない人は、入学するときに入学金やその他の費用を工面する必要はあります。でも、知恵をしぼれば方法はあります。
まず、自分の考えが決まったら、生活保護を受けている人はケースワーカーや民生委員に相談、そうでない人は市役所(町役場)の福祉課に相談してください。
私は知っていることであればアドバイスできます。私がわからなくてもいっしょに考え答えを探しましょう。