新年おめでとうございます。
今年こそはよい年をと願わずにはいられませんが
(病気をするといっそう思います)
コロナ禍はまだまだ収まりそうにありません。
そんな見通しのなかでも将来を考えなければなりません。
再来年度に設立を目指す子ども政策を受け持つ省庁の名前が、「こども庁」から「こども家庭庁」に変更されました。
与党の政治家の中では「子どもは家庭が育てるものである」という強い声あったようです。
わたしは子育ては親だけに任せるには重すぎると考えていますが
それでも、親が自分のためにも子どものためにもよい習慣をもつことを勧めています。
36年間の教員生活の中で
子どもが貧困から抜け出す鍵は子どもよりも親にあると考えています。
子どもの努力だけでは問題の解決はむずかしいのです。
本人の一代で解決するには負担が大きすぎます。
親の生活をどう安定させるかが本当の解決の鍵のはずです。
親がよい習慣をもち、子どもに伝えようとしなければ
子どもは不利な立場から出発するしかありません。
その一番たやすい方法は親が学び収入を増やすことです。
それでも
子育ては母親の責任であるという性別役割分業意識の根強い日本では
そうした考え方自体が母親たちを追い込むことにもなりかねません。
生まれた子どもが社会のルールや常識を学び、大人になっていく流れを
子どもの「社会化(socialization)」と呼びます。
子どもは親・家庭からだけではなく
まわりの大人や学校、友人、地域社会、趣味サークルといったいろいろな中で経験を重ね自立していきます。
その中では反面教師といった苦い経験も大事なものとなります。
社会化のルートをたくさん用意している社会は子どものためによい社会と言うことが出来ます。
「こども庁」を「こども家庭庁」とする名称変更は
こどもの社会化は独占的に「親・家庭」が受け持つためと考える人たちがおり
彼らにとっては現実よりも自分たちの主義主張が大事なのです。
子どもをめぐる問題を社会ではなく家庭が解決すべきと考えるかぎり
多くの子どもも親も不幸になるでしょう。
子育ての社会化と
同時に母親、特にひとり親が自分の力を発揮できて初めて
家族をめぐる貧困の解決の道筋が見えてきます。
そんな志をもつ人たちを自分のできることを通して手助けしたい
それがここ1年
そしてこれからのわたしの仕事です。