英文を読むための基礎

§1 英文多読のススメ 多読とは文章を分析しないで大意を把握する読書法です

ここでは「SSS英語多読研究会」の多読法を紹介し
わたしが実際に行ってみた感想を書きます。
http://www.seg.co.jp/sss/index.html

◎多読とは、文章を分析しないで大意を把握する読書法です。
SSS(Start with Simple Stories)の多読法は、従来不可能であると思われてきた英語初級者でも楽しく始められ、楽しく続けられる多読法です。

◎100年前から常識だった多読
昔から多くの英語教師が、「英語を獲得する一番良い方法は多読である」と主張しています。
多くの英語教師たち、夏目漱石や松本亨といった人たちも多読を勧めています。

◎なぜ多読が普及しなかったのか?
しかし、今までは、多読は上級学習者にだけ許された学習法でした。
英語教師が勧めていた「やさしい本」がむずかしすぎていたからです。
高校生・大学生相手でもPGR2-3(基本語彙600-1200語レベル)の本から読み始めさせるために、1年間の学生の読書量も、1万語~10万語くらいのものでした。

◎勧めるのは非常にやさしい本からはじめ、100万語単位で読む多読です!
SSS英語学習法研究会の進めるすすめる多読は
非常に易しい本からはじめて
旧来の多読法の10倍以上の種類の本をつかうことにより
従来の多読の10倍以上の量の英語を読む多読法です。

◎従来の多読法と違い、無理なく基礎力が付きます
英語初級者の場合、100万語読んででやっと(旧来の多読の出発点であった)PGR2-3レベルに進む位のゆっくりさです。
従来の多読法と違い、年間100万語~200万語読むことが十分に可能です。
(わたしも1年では無理でしたが13ヶ月で100万語を読みました)
はじめはゆっくりなのですが、1年後、2年後の成果では
今までのどの多読法よりも、また精読法よりもはるかに高い効果を得ることができます。

実際わたしはほぼ36ヶ月で「270万語」読みました。
不思議なことに今までいわゆる精読をしていたころは
読んだ後から気になった文を探し出そうとしてもどの部分だったか探すのが大変だったのですが
多読だとすぐに探し出せるのです。
そして、精読していたころは読んでいる内に先に読んだはずの本文を忘れていることに気づきました。
精読よりも多読の方が本文を覚えているのが不思議でした。

*「精読」・・・ ここでは普通におこなわれているように分析しながら漢文を読むように前後をひっくり返し本文を読むことを指します
多読では文の頭から順に読んでいきます。
多少英文が読める人でもその技術を身につけるためには中学1年のレベルのぐらいの文から始めないと慣れることができません。
わたしも幼児向けの絵本から読み始めました。

また
あとから気づいたのですが
いつの間にか基本単語のスペルが暗記せずに頭に入っていました。
ただし
主従関係が複雑な文とセンテンスが長すぎる文は
やはり高いレベルでの多読ができていないと読むのがむずかしいのは事実です。
でも
最近の大学入学試験では恐ろしいほど本文が簡単になっています。
わたしが受験生のころは19世紀の荘重な文体を読むことが勧められたくらいでしたが
今時、そんな文章を出すところはないでしょう。
医療の専門学校ならトップレベルでなければ十分多読で合格レベルの読みができます。

わたしは多読をしたときに自前でテキストを買い
その後も買い足したものがありますので
現在、英文Graded Reader300冊以上、英文児童書が350冊以上あります。
*Graded Readerとは本文の長さや文法、基本語彙数で段階ごとにテキストを分けたものです。

現在、わたしが持っているGraded Reader、英文児童書は無料貸出しています。
(ただし、デポジット制です)

「Graded Readerリスト」はこのサイトの中の「Graded Reader」からダウンロードできるようにしてあります。

§2 なぜ、英語は文型が大事なのか Englishの歴史から知る

Englishと日本語は非常によく似たところがあります。
それは言語の歴史から言うとともにズタボロな言語だということです。
互いに何度も外国語の影響を受けて吹きだまりのようになってしまったことです。

Englishは今のドイツ語の先祖に当たる言葉を使っていた部族がブリテン島(イギリス本島)に渡った時から始まります。
この時代は「古英語」と呼ばれます。
その後、ブリテン島は北欧部族の草刈場になりいろいろな部族がやってきて
古英語にいろいろな影響を与えます。
(幸村誠『ヴィンランド・サガ(VINLAND SAGA)』の舞台です)

その中でも
大変強い影響をブリテン島に与えたのがThe Norman Conquest of Englandです。
当時のフランス語を話す部族がイングランド(ブリテン島の中央部)の支配者になり
支配階級はフランス語、下層階級は今までの言葉を使っていました。
特に、名詞は強い影響を受けます。
(現在のEnglishでは同じ物を指す言葉にフランス語由来のものと古英語由来の両方ことが多い。
豚はブウブウ鳴くのがpigで料理の皿に載るとporkなど)
しかも、いつの間にかこの複数の言葉が入り乱れる中で
古英語の文法も影響を受けてしまい、文法が単純化されていきます。
そして、下層階級しか話さない言葉であれば
誰も正式な使い方など気にしなくなります。
(学問上はこれを「クレオール化」と言います)
ここに現在に続くEnglishの形が出来上がったわけです。

実は日本語も外の言葉の影響を強く受けたという点では
事情は違っても同じようないきさつがあります。
そのうちに「国語キソのキソ」で書きます。

以上は一般言語学の素養がある者にとっては当たり前の知識ですが
英語だけを必要な外国語と考える者には気がつけないことです。

それでは今のEnglishがどんな独特の形を持つようになったか説明します。

Englishも含まれる言語史上で「印欧語族」と呼ばれる系統の言語には共通の特徴があります。
代表的なものは「格」や「性」といったものです。
「性」というのは名詞が「男性・女性・中性(Englishの場合)」に分類され
特に代名詞ではそれを意識する必要があるということです。
これで減点、不正解にされた人も多いと思います。

それでもまだ、「性」は分かりやすいと思います。
「格」と言われると英語でも「主格」「目的格」などという言葉は聞いたことがあると思いますが
言っていることがよく分からない人も多いでしょう。
日本語でも「~が」「~に」「~を」といった「格」をあらわす働きがあります。
日本語ではこれらを示すために「格助詞」と呼ばれる言葉が使われています。
文法上の説明をするとむずかしいのでしません。
肝心なことだけ言います。

印欧語族の子孫フランス語、ドイツ語、イタリア語・・・ では
この日本語の格助詞の働きが動詞や名詞では形が変化(格変化)することで示されます。
つまり、性でも変化するが「格」でも変化するということです。
名詞・動詞の格変化で「て・に・を・は」を示すことができます。
そうすると語順にとらわれなく文を書くことが可能です。
日: 私が りんごを 食べる。 / りんごを 私が 食べる。
独: Ich esse den Apfel. / Den Apfel esse ich.

ところが
Englishは外の言葉と混ざってしまう間にぐだぐだにされて代名詞を除いて格変化を失ってしまいます。
そうすると
Englishの文では名詞は自分で「て・に・を・は」を示すことはできず
「格」の働きは単語の文中の位置でしか示すことができません。
語順が変わると名詞は文の中で指されることが変わってしまいます。
I eat an apple.  が An apple eats I. になったら大変です。

だから
英語では五文型を理論的に徹底重視する人が多いのです。
五文型にとらわれずに体感での慣れを重んじる人もいます。
それでも、目標は同じです。

歴史の中でグダグダになったEnglishはそのおかげで
世界の言語のうちでは文法上わかりやすい言葉になりました。
だから
日本語を話している人間からすると他の言語よりもEnglishが取り付きやすいのです。
(ドイツ語・フランス語・ロシア語より覚えることが大変少なくてすむ)

§3 初心者の基礎練習には「並べかえ問題」が役に立ちます

英語の初心者や在学中にあまり得意ではなかった子のために
そして、苦手意識をもつ人のためには
まず、怖がらずに慣れるために発音と音読から始めるように言ってきました。

※①不得意でも、まず、怖がらずに慣れることです 発音と音読から始めましょう
https://ameblo.jp/otona-no-manabi/entry-12604537662.html
※②リズム音読「なみのリズム」に注目
https://ameblo.jp/otona-no-manabi/entry-12606249340.html

その上で簡単な英文をたくさん読む練習に入りますが
やはり、当然最低の文法や知識がなければ読むことはできません。
今までのやり方を極端に分ければ
*理解を求める
*丸暗記を求める
という二つのやり方になります。
これは言葉を「習慣」ととらえるのか「論理」ととらえるによると思います。

でも
実際の言葉は
言葉は習慣であっても合理性をもったものです。
言葉は理屈にはしたがわなくても
筋道をもっているという事です。

そうすると
言葉の練習法は
説明はするが合理的な繰り返しをすることが一番の近い道です。
理解はした方がいいのですが、理解しなければ身につかないものではないからです。
当然、筋道を理解したほうが身につける手際がよくなりますが。

初心者や不得意な子はまず最初につまづくのが「語順」です。
言葉のしくみが違うので「語順」でとまどうことが多いのです。
「語順」を身につけるためには
なぜかということよりもどうなっているかということの方が大切です。
その時に役立つのが「並べかえ問題(整序問題)」です。
ところが
「並べかえ問題」は大学入試向けの問題集はありますが
英語の初心者用のまとまった問題集ってあまりないのです。

初心者用では田地野彰さんが「意味順」書き込み練習帳を何冊か出しています。
(NHK基礎英語 『中学英語完全マスター「意味順」書き込み練習帳』は手に入れています)
内容は説明中心でいろいろな工夫がされているのですが
繰り返しのためには問題数が少ないかなと思います。

そこで見つけたのがKUMONの中1~中2用の三冊本の「並べかえ問題」集です。
くわしく文法の説明はしていなくても、簡単な並べ替え問題を通じて、無意識に英語の感覚が身につくはずです。
KUMONについては賛否両方の受け取り方がありますが
いつも実際の必要に目が向いているのが感心するところです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする