書く技術の基本は「①言葉(概念)」を増やす、「②論理(すじみち)」、「③書く形」の訓練。
さらに「④数言語(数学)」「⑤外国語」の学びで上達の裏打ちすることです。
私はこれらの訓練のためのプログラムを開発しています。
受験のための日本語訓練ではなく、日本語能力を高めることでの受験対応、就業後の仕事を効率的に高い質で行う能力を身につけることを目指しています。
①言葉はまず観念(思い込み)として存在します。伝えるための道具としては精密な「概念(共通の言葉)」に高める必要があります。
そのためには言葉の数を増やすだけではなく、言葉の「対比」「同義」「包括」といった訓練が必要になります。
②④⑤論理の基礎は「事実」と「推測」の違いから始まり、ユニット(単位)としての短文表現の練習をします。
次に短文を文に構成する論理の展開(導出)の仕方に進みます。
文が構成できるようになったら、今度は自分の文章が読まれるものとしてより精度の高い文にするための検討の技術を身につけます。
そのときに「数言語(数学)」の能力が上達を助けてくれます。
特に現代数学の基本である「集合と確率」という考え方は正確な文を書くときの手段になります。
また、自分の姿は鏡でしか見えないように本当の日本語の姿は外国語を通してしか見えてきません。日本語の能力を広く高くするためには外国語の学びは大切なものです。
③公的表現の目的は文学作品を書くことではありません。
私は教育や訓練の場で文学作品がいらないとは言いません。
しかし、文学作品は共感を強制する手段や試験の問題に使うものでもありません。
このようなことはむしろ作品の価値を低くするものだと思います。
生徒教師であっても教える教えられるというかかわりではなく同じ読者として読むのが自然な読み方です。
私が目指すのはお互いに主張する、意見を交わすための文章です。
今までの研究の結果、フランス式の論文技術が一番その目的に合っているという結論になりました。
足かけ5年ほどの研究で中高生・オトナのためにフランス式論文技術を日本語の性質に合わせ移植したトレーニング技術を開発しました。